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2017年12月7日(木) : ベンクル
"秘伝のキラキラ"
ブンクル空港測候所では12/5-12/8にかけて、ECC(オゾン)ゾンデの4時間おき強化観測を実施しています。全部で25発(キラキラ)を上げてオゾン濃度の日変化を調べる計画です。(同時に他の機材を用いた観測も行っており、日勤・夜勤に分かれて大忙し。)
ECCゾンデはポンプでオゾンを含む外気をヨウ化カリウム溶液に送り込んで、化学反応が生じて流れる電流量を計測することによってオゾン濃度を求めます。溶液を入れた小さなポリ容器をはじめ、計測に必要な機器を事前に1日程度寝かせたうえで、放球前に再度溶液を入れ替えて準備し直す必要があるため、複数の観測研究者が化学実験さながらに続々と「仕込み」をしています。(事前の仕込みはプロがやっても2-3時間かかる!のだそうで、あるプロは機材2つを同時に使う「W・KTU」というスゴ技を繰り出しています:写真下段中央。)
取材班を兼ねて視察に訪れているモデル班の視点で面白いのは、「その道のプロ」が何人か居合わせるとそれぞれやり方が微妙に違うことです。洗浄に使う溶液の量が5ミリリットルだったり20ミリリットルだったり、浸して待つ時間が5分だったり10分だったり、ケーブルやケースの固定の仕方が異なっていたり。「いやー、キラキラだなぁ!」 (※「キラキラ」はインドネシア語で「アバウト」を意味しますが、ここでは様々な観測研究者やその師匠方のベストプラクティスの多様性や奥深さに敬意を表する日本語的な意味と重ねて用いています。)
(SW)
"寝不足・・"
先の「秘伝がキラキラ☆」に書いたように、目下ブンクル班は日勤・夜勤体制で強化観測を実施しています。一方、昼も夜もそれぞれ眠りを妨げるものに悩まされています。(下に書いた以外にも阻害要因はあるのだと思いますが・・)
日勤組は、イスラム教特有のお祈りの呼びかけ「アザーン」で、夜明けの大分前にたたき起こされることがあります。夕暮れ時に聞く分には異国情緒を感じられてグッドなのですが・・まさか4:30AM頃にホテルの窓も開けていないのに大音量で聞こえてくるとは・・
夜勤組は、「ドンドンドン!」「替えのバスタオルをお持ちしましたよ!」 「起こさないでね」の札を自室にかけていてもお構いなし&周辺の部屋のドアをたたいて回るので防ぎようがありません・・・
(SW@日勤)
2017年12月7日(木) : JAMSTEC 横浜研究所
"From space"
ベンクルには来週行くのですが、待ちきれず宇宙からベンクルを見ています。
今日は、西から南北に延びる対流システムがベンクルに接近しつつあり、16LT前ぐらいにはベンクルを通過しそうです。
一方、内陸では日変化の対流が発達しつつあり、これらが夕方にどんな相互作用をするのかが今日のハイライトでしょうか。答えはまもなく?!
(MN)
2017年12月7日(木) : 「みらい」
"海の中の騒がしさは吹き抜ける風次第っす"
12月5日から3時間毎のTurboMAP観測が始まりました。
水深300mまでの海洋表層は先週ずっと吹いていた強い西風によって随分と賑やかになっているようです。
海面を吹き抜ける風は、海の中に乱流運動をもたらし、海面は熱や水蒸気を大気に返します。
そんな吹き抜ける風と海の楽しげな会話は劇的な物語を構成しているので、それらは僕らにとっても傾聴に値することなのです。
作業はしばしばトラブルシューティングを要したりもしますが、観測自体は極めていーー感じです(・∀・)
茂木耕作