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01 Nov. 2011: Mirai
11月1日(火)[定点2日目] 「兆し」
大雨の航海から一転、乾いた空気が覆う定点に着き、丸一日。観測や仕事の当番(通称「ワッチ」)も全て一回りし、それぞれの観測項目での作業もまずは順調。
そのワッチが一回りして調子を掴むまで我慢してもらった観測が、大型特殊ゾンデの観測。Leg-1では機材の不調や不運が重なり、思い描く理想のデータを取るまでには至っていなかった。各方面の協力を得たテスト結果や、コロンボ寄港中に入手した資機材を活用してのLeg-2で改めての挑戦が、本日午後。
皆が注目した機材は、重ねた準備と船内の技術員の協力が功を奏し、無事に空へ。データも問題なく連続受信。成功だ。あっけないほどに。
船上での観測は希少な機会を逃さぬ為、陸とは異なる環境下で耐えうるように多くの時間をかけて準備する。それは成功することが当然の前提。それでもやはり、実際に成功した時の喜びは大きい。それが苦労の末で、しかも航海の最初ならば、なおさら。
一方でハプニングも。
ウミアメンボの採取(10月11日の記事参照)はネットを引くため、目的であるウミアメンボ以外の生物が紛れ込むこともある。Leg-1では、昨年夏の太平洋での航海と同種の魚が入っていた。果たしてその後のLeg-1は、偶然か必然かその昨年の航海と似て、激しい雨がなかなか見られくなってしまった。
ところが本日のゲストは、なんと、ウミヘビ!
もちろん初めてのシロモノ。デッキからの報告と同時に、周りには人だかり。こんな大洋の真ん中に……!との声、多数(実際にはたくさんいるのかもしれないが……)。フラッシュが続けざまに光る。
淡々と進む3時間毎定点観測の中で、こういうハプニングや特殊ゾンデ飛揚などの「不定期イベント」は一種の気分転換たりうる。しかし、それ以上に、私には何かを予感させずにはいられない。
何故って?
龍神様は、水と雨の神様じゃないか。
そして、
成功は「勢い」をつけるじゃないか。
(写真) 左下から時計回りに: CFHゾンデ放球シーン/上昇するCFHゾンデ/ウミアメンボ採取用ネット/ネットに紛れ込んだウミヘビ