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02 Nov. 2011: Mirai
11月2日(水)[定点3日目]「留守のあいだに」
一昨日の記事で、「1週間の不在中に……」と書いた手前、それをひとつ、図面で紹介させていただきたい。
図は、海面から深さ150mまでの海の水温と塩分の観測データ(注:速報値)を示している。太線が10月31日00UTC(Leg-2の定点観測開始時)の観測結果、細線が1週間前のLeg-1終了直前、10月24日00UTCの観測結果だ。
青線で示したのが水温で、だいたい100m弱の深さまでほぼ一定の温度を示している。この「等温層」が、1週間前(細線)と比べて今(太線)は少し冷たくなり、一方で厚みが増している。熱帯の海は大気を温めるので、例えるなら、湯たんぽが大型化した代わりにちょっとぬるくなった、といった当たりだろうか。これが大気現象とどう影響しあっているのか、他の観測データを含めて確かめる必要があるだろう。
その鍵の一つになりそうなのが、赤線で示した塩分の分布。1週間前と比べて、等温層全体で大幅に塩分が下がっている。表面付近の塩分が下がる要因の一つに'「雨」による真水(淡水)の供給、が考えられる。しかし、Leg-1の最後もLeg-2の最初もレーダー画面には雨雲がさっぱり見当たらないのに、その間の1週間で果たしてここでそんなに雨が降ったのか?別の場所で降った雨水が運ばれてきた、としても、レーダーで見える範囲を越える距離を1週間で移動できるか?あるいは、別の要因か?
尽きぬ謎の答の欠片を求めて、私達はまた、空と海を見つめる。センサーという「目」を使って。
(図) 「みらい」CTDで観測された、水温(青)及び塩分(赤)の鉛直分布。太線は10月31日00UTC、細線は10月24日00UTC。※全て速報値。