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09 Nov. 2011: Mirai
11月9日(水)[定点10日目]「監視」
「監視カメラ作動中」(写真左上)。
……「みらい」船内はそんなに治安が悪いのか?
というのは誤解である。これは、観測の便利アイテムの一つ。
先の記事にも書いたように、観測を行なう際、実際にセンサを操作している場所(上甲板など)と、データを見ながら状況を把握している場所(オペレータ席)は離れている。その両者の情報交換はトランシーバでなされ、オペレータは、トランシーバの音声と目の前のディスプレイ上の情報から状況を想像/類推して指示を出す。しかし、トランシーバの音声で伝わる情報量には限界がある。特に今回のMSPの場合、オペレータの居場所は窓も何もない部屋であり、その不安感は大きい。
これを解消するために設置されたのが、写真左上のウェブカメラ。これによってオペレータが外の作業の様子を(粗い解像度であるとはいえ)逐一見る事が出来るようになり、状況の把握が非常に楽になった。また、ブリッジでもこのカメラをモニタしており、トランシーバから流れてくる情報に加えて状況の把握に一役かっているようだ。
実は「みらい」には既に船内の至る所にカメラが付いており、「みらい」固有の機器であるクレーンやウィンチなどは常に多くのカメラから監視されている。他の作業場所もまた然り。そしてその一部は船内のテレビで生中継されている。これらも、その目的は機器の状態や作業進行状況を離れた場所からモニターするためで、円滑な運用を助け、事故を防ぐ為の役割を果たしている。ネットワークの張り巡らされた「みらい」船上においては、更に、小型・安価になってきたWebカメラを使うことで、今回のMSPのような持ち込み機器もカメラ監視対象とすることが可能になってきた。今後の観測に威力を発揮することが期待される。
……そういえば先日、海中で採取した海水をサンプル瓶に移す作業(採水作業)の様子を見た後に食堂に行くと、隣席に座った某氏から「またおねーちゃんにちょっかい出して……!」とのご指摘。どうやら私が質問をしている様子は全船中継されるカメラの視界に入っていたようだ。だが、船内のカメラがそういった意味での「事故」を未然に防ぐ役割をもっているのかどうかは、明らかではない。
写真: [MSP観測について] (左上)MSP観測場所に設置されたWebカメラ、(右上)Webカメラ方向からみたMSP観測風景、(左中上)MSPオペレータ席の様子、(左中下)MSPオペレータ画面上でのWebカメラ画像。[CTD観測について] (左下)CTDのウィンチ操作員がモニタに映し出されたウィンチを監視、(右下)ウィンチとそこに向けられたカメラ。