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21 Dec. 2011: Jakarta
「BJ has returned to Jakarta」
インドネシア技術評価応用庁(BPPT)所有の観測船バルナ・ジャヤ 3号による20日間の観測を終えて、12月21日にジャカルタから車で 3時間のジャワ島西端のムラッという町に帰港しました。航海中は インターネット環境が不十分なため、観測の様子をお伝えできませ んでしたので、ここに帰港のお知らせと速報です。
出港直後は海況が悪く、船が思うように進まず(平均で5ノット、 時速10kmのときもありました)、観測日数が減るのではないかと心 配しましたが、最低でも1ヶ所での定点観測に10日は確保するとの 方針から、東経95度、南緯7度の海域を定点と決めて、12月7日か ら16日まで(観測自体は12月5日から18日までの2週間)主にラジオ ゾンデ観測を実施しました。
観測期間は2週間と短期間で(「みらい」の4分の1)、また衛星 画像ではちょうどMJO対流が通過した直後のように見えましたが、 我々の船を待つかのように対流活動が東インド洋からインドネシア 海大陸でもたつき(?)、興味深い変化を捉えることができました。 最初の1週間は10m/sを超える強い北西風が船を揺らし続け、対流 活動も活発で、可降水量(=大気中の水蒸気量を鉛直方向に合計し た数値で、熱帯海洋上では平均52mmくらいになる)も60mmを超え、 雨もよく降りましたが、後半になると徐々に減少し、可降水量は 45mmを下回りました。 海も前半が嘘のように静まり返り、海面は鏡のように雲を映し出し ました。海面水温も時折30℃を超え、明瞭な日周期を示しながら平 均でも1℃上昇しました。現在の最新の衛星データなどを見ると再 び活発化しており、我々のデータがこの変わり目を捉えていた可能 性が非常に高いです。詳細は近日中にクルーズレポートを本サイト に掲載しますので、そちらで初期結果をご覧ください。
観測はJAMSTECから乗船した2名の研究者とBPPTの研究者2名の計4名 でローテーションを組んで実施しました。ラジオゾンデ観測は普段 バルナ・ジャヤ船上では実施していない大気観測のため、船員さん や技術職の方が興味を持って見学に来ました。夕方の放球時は夕涼 みがてらと言った感じで毎回10名を超えるギャラリーが集まりまし た。きっと皆さん自分でも観測ができる気持ちになったと思います。 また、インドネシアに住んでいてもMJOという現象を知らない人達 ばかりでしたが、最終日の総括ミーティングでは、(インドネシア 語で喋っていましたが)時折聞こえてくるエムジェーオーの言葉に、 CINDYという名前とともに、十分浸透したことを実感しました。