■MISMO 集中観測 日報
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10月8日(日)
「みらい」
"観測調整と説明会"
晴れ
うねりもすっかり消え、終日穏やかな海況。
観測概況:
概ね順調に稼動。
晴れていて、雨の降る様子もないことから、昨日写真で紹介した
降水サンプラーの調整作業を実施した(写真1)。
コメント:
今回は研究に関する話題2つ。
前述研究員は降水サンプラーと水蒸気サンプラー(写真2)を
用いて水の起源を求める研究をしている。
船上で観測する水蒸気の同位体比を求め、降水サンプラー
によって得られる降水の同位体比と比較する。同じであれば
雨(雲)はローカルな水蒸気によって形成されているが、
異なれば、別の場所で形成された雲が移動し、降雨をもたら
していることが推測される。
今回、MISMOで目的としている数1,000kmにも及ぶ雲群を
調べることで、波動的(エネルギーは伝播するが物質そのも
のは移動しない)な特徴をもつのか、雨雲そのものが移動
し、その形態が保たれているのか、明らかにすることを目指
している。
MISMO航海の目的の1つに海面水温の日変化が雲発生に
どのような寄与をしているか、というテーマがある。
一般に海面水温はインテイク法と呼ばれ、船のエンジンの
冷却水用に海水を取り込むが、その取り込み口にセンサー
を取り付け計測する。しかし、「みらい」の場合、取り付け部の
水深が5m程になる。
そこで今回、大気と接している本当の海面の水温を計測する
ため、マイアミ大学の協力を得て、赤外放射を用いて海面の
表皮部分の温度を計測する装置:ISAR(Infrared Sea surface
temperature Autonomous Radiometer)を導入し、船首にある
マストのトップデッキに設置した(写真3)。
セットアップも完了し、順調にデータも取れているので、本日
このISAR装置の説明会を行った(写真4)。米国技術者の早
口な説明を真剣に聞き入る様子が見て取れる。