link

■MISMO 集中観測 日報

2006年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
   
2006年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
2006年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

10月25日(水)

「みらい」

"m-TRITON設置"

晴れ、夜小雨
周囲に積雲、高積雲、雄大積雲が広がる


観測概況:

各種連続観測継続。
午前7時半より東経79度の赤道上にm-TRITONブイの設置作業。 11時過ぎシンカーレッコ、11時38分着底確認。 その後、比較検定のため水深500mまでCTDを実施。 午後2時よりADCP係留系の設置。15時30分シンカーレッコ、16時 着底確認。 再度、m-TRITONブイの海域にてCTDを500mまで実施。


コメント:

手元の時計で午前7時33分、いよいよインド洋小型トライトンブイ (m-TRITON)の初めての外洋での設置が始まる。デッキでは いつものように円陣が組まれ、安全を確認しあって持ち場に。 フロート直下の索具、ケーブルがまず投入され、引き続きフロート 本体が投入される。Aフレームクレーンの下で、横たわっていた 姿勢を起こし、左右からの振れ止めロープでバランスをとりながら ゆっくり海面に降ろされる。この間、約15分。 フロート投入後、2-3ノットの微速で前進、フロートが少しずつ 遠ざかる。フロートの下には500mのワイヤーロープが続く。 このワイヤーロープには、計14箇所に水温、塩分、圧力などの センサーが取り付けられている。今回は、今後のための基礎 データ取得の意味もあり、取り付けているセンサーの数がやや 多い。ロープを繰り出しては、一定間隔を置いて、センサーが 取り付けられてゆく。終日、気温は28度を下回り、そこにただ 立っているだけならば、とても暑いという感じではない。しかし、 作業着の上にライフジャケットを身につけ黙々と作業を続ける 船員、観測技術員の汗は止まらない。
500mのワイヤーロープの投入が完了すると、続いて延々とナイ ロンロープが続く。今回の設置海域の深度は約4800mだが、 m-TRITONはスラック係留と呼ばれ、深度よりも長い(約1.4倍) ロープで係留することにより、強い潮の流れのときに抵抗せず むしろ流される形で抵抗を軽減し、結果としてある範囲内の定点 内に維持される構造になっている。このためケーブル長も全体 で約6000mと非常に長い。作業開始から3時間30分後、ようやく 最下部のガラス球、音響式切り離し装置、シンカーの投入段階 となる。11時13分、シンカーレッコ、11時38分にシンカーの着底 を確認し、設置を無事完了させた。(写真1−6)
m-TRITONブイの設置は本航海の主ミッションの1つであるが、 展開だけが目的ではなく、観測網の1拠点であり、観測の終わり ではない。定点観測に出来る限りの時間を見出すために、昼食 休憩だけで、ADCP係留系の設置を行う。
長い係留系作業の一日。
そして、このような係留系の作業が実施されている間も、他の 研究者はそれぞれの観測を実施する。
定点集中観測はまだこれからである。