■MISMO 集中観測 日報
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10月26日(木)
「みらい」
"雨の中へ"
雨時々曇り
観測概況:
3時間毎のラジオゾンデ観測他、各連続観測継続。
なお、昨日より、ラジオゾンデ及び一般海上気象観測の結果(時系列)
を本Web上にアップしている。
午前8時より、南緯1度30分、東経80度30分の海域にて、ADCP係留系
の設置。10時10分、シンカーの着底確認。水深4867m。
その後、CTDを500mまで実施。
午後、南東に発達し、北西に進んでいたメソ対流降水システムを対象
にビデオゾンデの実施。
コメント:
午前8時丁度、小雨が降る中、3日連続での係留系設置作業が始まっ
た(写真1)。ADCPのフロートが開始から1分で着水、続けてブイや
4000mのロープが繰り出されてゆく。9時37分、シンカーレッコ。設置点
及び深度の確認のため音響測深器を用いた作業(写真2)がそれに続く。
雨であってもその作業の流れに変更はなく、粛々と進む。それを見守る
側も時間の流れをつかんでいる。
係留系設置の後半には雨は止んでいた。
しかしドップラーレーダーの画像には約150km離れた南東の海域に
100km規模に組織化された雲群がゆっくり北西進している様子が
捉えられている(写真3)。エコーの移動速度と明日の係留系作業開始
の時間との関係を算出する。フルスピードで向えばあと2時間で船は雨
の中にいる。ビデオゾンデの実施を決定し、進路を90度から130度に変更
する。ビデオゾンデはCCDカメラを内臓したラジオゾンデで、雲内の雨滴
粒径分布を計測する、雲物理学研究のための観測装置。
ビデオゾンデ放球は受信状況を確認後(写真4)、デッキの最後尾で放球
(写真5)し、その後専用のアンテナでビデオゾンデをトラッキングし(写真6)、
映像を捉える。
放球直後、データがなかなか入ってこないが、4-6km付近を中心に雨滴
や氷粒を多数観測し、無事データ取得に成功した。