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「北極域研究船の建造状況 Ⅱ」

2023630

北極域研究船推進部 建造チーム

ご無沙汰しております。
前回建造の状況をお伝えしてから、もうすぐ1年が経とうとしております。 

さて、どこまでできたかといいますと… 

まずはこちらをご覧ください!

 

<側面図>

<平面図:上甲板>

<平面図:第2甲板>

この1年間、造船所(JMU殿)、建造監理者(MOL殿)、そして船主である我々JAMSTECの三者で、さらに濃密な協議を繰り返しに繰り返しておりました。そして、今般、本船の骨組み部分の設計がほぼ仕上がりました! 

上記の画像は、「一般配置図」という船舶の基本的な配置を表す図面から、本船を右舷側からみた側面図と、上甲板(陸上の建物でいえば1階にあたる部分)と第2甲板(同じく地下1階にあたる部分)の平面図を抜き出したものです。この2つの甲板には、研究・観測の設備がぎっしり詰まっています。 

細かいところの協議事項はまだまだ残っておりますが、居室やラボの形・広さ、区画割、主要な柱の位置、階段や扉の配置などについては、三者でおおよそ合意できたと思っています。 

若干の遅れはあったものの、ここまで進んで参りました。
世界的な流通の停滞や、コロナ禍の最中、日々懸命にご対応いただいた造船所及び建造監理者の皆さまには心より感謝申し上げます。 

しかし、まだまだ終わりません! 

2023年度に実施する大きな項目として、次は3Dモデルによる確認です。
様々な視点から本船の画像や模型を眺め、平面図では把握の難しいケーブルの動線や取り回し、観測機器の移動やクレーンによる吊り上げ方法など、三次元的な動きも確認して、問題が無いことをチェックしていきます。 

並行して、造船所では、実際に本船を工場で組み上げていくための設計(「生産設計」というそうです。)を行います。
そして、その生産設計にしたがって、鉄板を切断し、溶接して小さな部品(といっても人間と比べたら十分大きいのですが)をつくり、それらを合わせて大きな塊(ブロック)に組み上げ、さらにそれらを積み上げて船に仕上げる「ブロック建造」により本船も造られていきます。
ブロックを造る順番、積上げる日程、ブロックのうちに先行して取り付けておく配管や電線、搭載する発電機等の大物機器の搭載タイミング等々を考慮した、緻密な計画が求められる重要なプロセスです。
(造船所の皆さま、よろしくお願いいたします。) 

これからも三者の濃密な協議を引き続き繰り返し、アイデアを出し合いながら実際に船内活動を行うための最適な研究・観測設備配置について模索していきます。 

次回の建造状況更新時には模型を使った審議の様子などをお伝えしたいと思います!お楽しみに!

以上

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