年内見納め!「みらいⅡ」建造状況(北極域研究船の建造状況 V)
2024年12月26日
北極域研究船推進部
建造チームとCOMAI先生
みなさんこんにちは、北極域研究船推進部建造チーム(とCOMAI)です。
早いもので2024年もあとわずか、年内どこまで進んだのかという総括も込めて、12月半ばにJMU磯子工場で撮ってきた写真を中心に建造状況を報告いたします。
まずは使い回し(つーちゃんに内緒で定期)

はい、どん!まずは建造ドックの全景をどうぞ。手前から、船橋+海棲哺乳類監視区画ブロック、煙突やドップラーレーダー室など船体中央あたりの居住区画ブロック、一番後ろで船体本体のブロック搭載工事が進められています。船体自体は128mということで、広大な建造ドックでは同時並行で工事を進められるということですね。

何と今回は船内に潜入することができました。シートに覆われていて詳細不明ですが、これは「みらいⅡ」の主発電機4台です。右写真奥の少し小型なものが、液化天然ガス(LNG)の混焼が可能なデュアルフューエルディーゼル(DFD)エンジン(IHI原動機製9L28AHX-DF)ですね。それ以外の3台は通常のディーゼルエンジン(IHI原動機製16V28AHX)です。

砕氷船は、砕氷航行時の負荷変動に追従しやすいようモーターによってプロペラを駆動させること、(ラミング航行時などで)前後進の切り替えが早いことから電気推進が基本ですので、これらのエンジンと発電機(各エンジンに付いている手前の四角い物体)で発電し、モーターに電気を供給することになります。ただ、4台をフル稼働させるのは砕氷航行時ぐらいではないでしょうか。通常海域を12ノットで航行する程度であれば、16V28AHXを1台か、16V28AHX1台+9L28AHX-DF(LNGモード)で運転する程度になると想定しています。

こちらは、居住区画の一部です。写っているのは各居室に設置されるシャワー・トイレユニットですね。配管位置は決まっていますので、居室の広さや間隔がなんとなく想像できる状態でした。「みらいⅡ」は全乗員個室ですので、配置上、すべてを押し込めるのはなかなかに大変だったのではないでしょうか。
そのまま前方方向に移動し、船橋に突入。ご紹介するのはこちら☟

① 左舷ウィングから後方を眺めてみる。両舷ウィングの窓は視界を確保するために大きめかつ斜めに設置してあります。

② これはウィング床面です。直下の海(氷)面を覗ける(高所が苦手な方は要注意な)窓が付きますが、まだガラスが嵌っていませんので、足場を置いてありますね。

③ 船橋前の曝露スペース(右舷)。想像したよりもだいぶ広い印象で、観測機材か何か置けそう。

④ 左舷側から右舷側を眺める。写真では伝わりづらいですが、船の横幅があるので向こう側が遠い印象。。。

初めて潜入した船内は、とにかく非常に綺麗な印象でした。丁寧に工事を進めていただいているJMU磯子工場の皆さんに感謝!
さて、後部に移動し、こちらはCTD観測区画。まだ上部構造が搭載されていないので曝露状態ですが、そのうちここは屋内空間になります。ちょっと分かりづらいですが、船首側ラボ区画に向けて動線を工夫した結果、向こう側が一直線に見えますね(人影と明るい外が見える)。

それでは少し外周を。本当に快晴でした(太陽が眩しい)。

船尾から。おっと何か見えますね。

空を舞うブロック!

最後は、初めて船体ブロックに上陸し、興奮する(?)メンバーの一枚でオシマイ!(あまり総括になっていような)

本年も「みらいⅡ」の建造と運用準備を応援いただき、誠にありがとうございました。
引き続きまずは進水に向けて進めて参りますので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、皆さまよいお年をお迎えください!
